2018年4月15日日曜日

恵みの軌跡を辿る旅

オックスフォード大学の教授でアリスター・E・マクグラスという神学者がいます。

マクグラスは信じられないくらいのペースで、膨大な内容の書籍を出版するので、読者としてはとても追いつきません。

もう14年も前に記された本で「 ポスト・モダン世界のキリスト教 」という本があります。最近、久しぶりに読み返してみると、「ポスト・モダン」と称される時代を捉えた、興味深い提言がいろいろと記されています。その一つですが……

物語の重要性
「最後に私は物語の新たな重要性について語りたいと思います。若かった頃の私は、キリスト教が真理であり素晴らしいことを人々に見出せる最もよい方法は、議論することだと思っていました。言い換えるとキリスト教が正しく真実であることを説得することだと思っていました。しかし今、私は福音の真理を別の方法で伝えます。私の物語を語るのです。私がどのようにして信仰をもつようになったかを話すのです。なぜでしょう。なぜなら物語はどんな議論よりもずっと面白いからです。そして物語はキリスト教が本物であることを示します。言い換えると物語には人々の人生を変え、彼らに生きるための新しい力を与え、将来の確固とした希望を与える力があるのです」マクグラス 115頁

上記のマクグラスの提言は現代的であると同時に、古典的でもあると思います。

なぜなら「 物語(Story・History)を語る 」ということは、聖書自身のうちにも見られる福音伝達のスタイルだからです。

奴隷であったイスラエルがエジプトから脱出し、約束の地に入っていくストーリー。

ヨセフやダビデ、ダニエル、エステルの生涯のような印象的なストーリー。

イエス・キリストも、難しい議論を持ちかけるのではなく、当時の人々の生活に基づいた「わかりやすいたとえ話」を用いて、福音を伝えようとされました。

福音書には、イエス・キリストがどのようにして人々に出会い、彼らを変えたのかというストーリーが溢れています。

それらは物語(Story)であると同時に歴史(History)です。

一部のたとえ話を除いて、聖書に記されているストーリーは、この世界で本当にあった歴史的な出来事の記録なのです。

聖書のメッセージは、歴史的事実の上に立脚しています。
ですから、聖書には最初から最後まで、歴史・ストーリーが詳細に記されています。

人々が福音を受け入れることができるような論理的議論をすることができる人は多くはいないかもしれません。
しかし、誰でも、クリスチャンであるなら「神が私の人生に何をしてくださったか」を証することはできます。その真実なストーリーを語ることはできます。

福音の素晴らしさを伝達するために、

聖書のストーリーを語る。

イエス・キリストのストーリーを語る。

また、キリストと出会った私のストーリーを証する。

同時に、この一年、取り組みたいのは

清水聖書バプテスト教会のストーリー をまとめることです。

教会は、今年60周年を迎えます。

宣教師によって開拓伝道が始まったのはさらに以前のようです。

私は、クリスチャンの両親の家庭で育ちましたので、赤ちゃんの頃から教会にいますが、

60年の歴史

現在32歳の私が知っているのは、その一部でしかありません。

当然生まれる前の30年間を経験していませんし、意識的に教会生活を送るようになったのは10代半ばくらいからですから、60年の歴史の三分の一くらいしかわからないわけです。

ですから、教会にいる信仰の先輩たちが辿ってきた道(歴史)を聴く必要があります。

そして、その歴史を綴りあわせていくときはじめて

清水聖書バプテスト教会のストーリーの全体像が浮かび上がっていくのです。

それは清水区(旧清水市)入江の町に建てられた教会の歴史であると同時に

御自分の民に対する 神の恵みの軌跡(奇跡) に他ならないでしょう。

どのような神のご計画と恵みが浮かび上がってくるのか、楽しみでなりません。

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